モンゴル 馬とキャラバンによるエコツアー

主宰者 張 宇 (ちょう う) の紹介

プロフィール  生き方は、“Venture in Adventure”

張宇(ちょう う) NPO奔流中国代表、キャラバン主宰者。東京工業大学工学部卒業、同大学院中退。学部3年の時、株式会社ミクシヴィルを設立。 技術者国際派遣業務、日米中株式投資、コンサルティング、広告など手がける。 学部4年の時に、日本の大学教育の現状に対する切実な思いから、「奔流中国」を発足、“時代を切り拓く冒険心、個の強さ、心の自由”を訴える。 しつらえたイベントを嫌い、本物の旅にこだわり、また旅をアートで表現する独自のスタンスは若者から絶大な支持を受けている。2000年より馬でいくキャラバンツアーをはじめ、 乗馬の際にいつも安全確保のため陣頭指揮。また奔流の一環として、中国内モンゴルで牧場建設を建設し、野生馬保護や 中国貧困地区子供教育への寄付なども行っている。現在、ファッションブランド「Sun」の立ち上げに燃焼中。

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"戦場の気持ち"

“乗馬は危険がつきものなので、(乗馬の指導は)責任感の薄い人や、経験の浅い人、また集中力のない人にはとても任せることはできない。 普通のツアーならともかく、乗馬ツアーは乗馬そのものに対する情熱の薄いガイドや添乗員では所詮無理だ。主宰者としての自覚と情熱、 気迫をもって初めて、現地の遊牧民スタッフを統率することができて、油断のない万全な体制ができると思う。僕はこれまでたくさんの危険な場面を見てきた。自分自身も大人になって乗馬を始めたので、落馬はもちろん、ヒヤッとした時は何度もあった。運がよくて今まだ生きている。その経験を乗馬指導に生かせたと思う。度々、自分の後継者を育てないかと聞かれるけど、人間はやはり自分自身が危険を経験して初めて成長する。未熟な人にやってもらうのは、もう一度参加者を危険に放り出すことと一緒だから。今は3,4年前の自分にも任せられない。一瞬の油断、小さいなミスでも、参加者の命に関わるから。最初、自分が落馬したり、参加者が落馬したりする時、馬のせいにしたりも考えたけど、今は乗馬中のできことは、すべて人間自身の心の問題だと思う。それは馬乗る人だけでなくて、サポートする人、指導する人、すべて問題があるのだ。参加者の気持ちを察知し、馬の様子を細心な注意を払い、そして遊牧民スタッフをしっかりまとめなくてはいけない。参加者は油断するけれど、それを戒めるのは自分の責任だから。乗馬中何か発生する際に、秒単位で時間との勝負。通訳を通したり、あいまいな説明をしたり、適当な対応は参加者が危険にさらされる。そういう意味で乗馬中はいつも戦場にいる気持ち。言葉と技量と情熱、この三つ備えていないと、乗馬指導に当たるべきじゃないと思う。”

"On the field, Always"

“現代の日本の若者は、豊かな時代に育てられ、ハングリー精神や自主性に欠けるとよく言われる。一方、時代を切り拓いた先人を憧れ、強くなりたいという気持ちもある。参加者たちは、旅の途中で様々な困難に立ち向かう。指導者の姿勢一つで、彼らを勇者にすることも、弱者にすることもできる。 だから私は、過保護的なやりかたではなく、若者の強くなろうとする願望を引き出し、適切な助言を行い、目標達成するよう鼓舞する。 目標をやり遂げた若者は、ひと回りもふた回りも成長する。そして、自分に自信を付けることで、自ら行動を起こす意欲が生まれる。 それが今の日本の若者にとって最も重要なことではないだろうか。”

“包容力と情熱のある旅、それは奔流”

この頃、‘デザインナーズ’という文字をよく見かける。 しかし、ある大手旅行会社が出したトラベルデザインという言葉に頭を抱える。人々は憧れで旅へゆく。戸惑いで旅へゆく。 本来そのはずだが、 自分のしたいことまで人にデザインしてもらうなら、 そもそも行かない方が、よい。一人ひとり皆違うことを考える。旅の主宰者として、僕は人の旅をデザインするのではなく、自分の旅をデザインする。そして、情熱的に旅をする。必要なのが、人々に共感してもらうこと。そのために、自分自身の感覚を磨かなくては。情熱的でなくては。包容力のあるプランを生み出さなくては。”

”旅は独立への第一歩”

“旅は独立への第一歩”
“ 若い人を旅に連れて行く際に、ガイドのようにサービスだけではいけない。
旅は独立に向かっての一歩だから、だから旅は独立でなければ意味はない。 
私に頼ろうとする人もいるが、私の助けは必要最小限に留める。
一番大きな喜びを得るために、踏み出した一歩は自分で決めてほしい。”

奔流の旅の意義

"シルクロードの旅の趣旨と視点"

砂漠の中に、小さいな泉がある。その泉は何百年も前から枯れることもなく、砂漠の中に存在し続けている。わずかな草さえあれば、羊を追いかけて放牧している遊牧民を目にする。ゴビを越えたところに、オアシスがある。過酷な自然に囲まれながらも、バザールにオアシスの人々とロバ車と馬車が賑わう。人々は盛んに、明るいリズムで踊り、歌う。殺伐とした大地、その寂しさを紛らわすかのように。私は思った。生命の躍動が永遠に存在する、きっと。
この旅で何を伝えたいのか。なぜシルクロードへ日本の大学生を連れて行くのか。彼らはシルクロードで何を得て、何を感じるだろうか。そして、なぜ馬でいくのだろうか。
今の日本の大学生は表面上の国際交流やボランティアに走りがちだ。しかし私はシルクロードで旅している間にこんなことを考えた。古の旅人たちは危険を避けるため、キャラバンを組んで、シルクロードを往来していた。タクラマカン砂漠、戦乱、パミール高原など、人の意志を拒むほど危険極まるこの道を、古の旅人はなぜ、辿ろうとしたのか。彼らは、国際交流やボランティアのことなど少しも考えていなかっただろう。自分の商売、あるいは信念のために冒険したのだ。しかし商品を運ぶために往来していたキャラバン隊は、商品を運ぶと同時に、文化と価値観も東西に伝えた。結果的に国際交流に貢献した。シルクロードも彼らの存在によって文化交流のルーツとなった。表面上の国際交流やボランティアに走る今の若者に、命を賭けるくらいの思いがあって初めて真の国際交流ができ、働くことこそ社会貢献になることをシルクロードの旅で気付いてほしい。そして、若者たちはシルクロードの旅で、“文化交流の形”を探ってほしい。
また、現代の若者は物質に恵まれ、多様な感知間の共存する社会に生まれ育ち、時代に流されがちで、“個”の確立は難しくなってくる。だから、シルクロードで彼らが目にするのは、何千年も変わらない価値観と自然に対する生きる力なのだ。砂漠の光景、明るい音楽と力強いリズム、厳しい自然に生き抜く遊牧民・・・観光ではなく、現地の人と一緒になって踊り歌い、同じ土俵で自然と社会を見つめる。
そして、馬でシルクロードを辿ることは今までにない発見がきっとあるのだ。シルクロードの中でも最古に栄えた道、草原の道は、馬がいたために開かれたと考えられる。馬は人類への意義は測り知れない。馬はまた騎馬民族の誇りであり、彼らの生活そのものである。遊牧民になって、風になって駆けることで、騎馬民族のアイデンティティ、彼らの生活の営みを深く知る。そこから初めて心が通じ、絆が生まれる。
シルクロードとは何か。私たちにとってのシルクロードとは・・・大地を這って、旅を進める中で、中国の雄大さ、尊厳、変動、人の温もり、大陸の風を感じ、受け止める。日本の若者はシルクロードへの思いを募らせ、感情も日々変化していく。
メディアをとおして見たシルクロードは遺跡の紹介や現代の変貌という視点に発つのが一般だったが、シルクロードは現代・過去では捕らえられないものがある。それはスピリッツである。大地は変わりはしない。いつも人間だけが変わっていく。現代の大学生たちがこの道にたどり着いた時、彼らの心の風景は私たちに何を語ってくれるだろうか”

"馬と旅する"

昨日、名古屋の説明会で、参加者のアンケートにこんなことが書かれていました。
“馬での移動そのものにそこまでの意味があるというのは今回の説明会で知ることができました”奔流のホームページでは‘馬で移動する意義’そのことを伝わらなかったようで、ここで、ブログの文面を借りて馬で旅する意義を説明してみます。
まず、馬を通して初めて深くモンゴルを知ることができます。馬を乗らないでモンゴルへ行っても、星空は見えますが、わいわいと遊牧民と酒を交わすこともできるかもしれませんが、本当の意味の尊重と理解、そして交流は果たしてできるでしょうか。モンゴル人のアイデンティティや騎馬民族の誇りはすべて馬の中で反映されているはずです。
次は、参加者自身の成長です。12年間に渡り馬とキャラバンの旅の現場指導に携わる中で、身に染みて感じるものがあります。それは、馬と一体になって大地を駆ける喜びの中に、若者の挑戦心と勇気が引き出されること。また馬との旅では、馬との一心同体が求められ、その中で、自然との向き合い方、謙虚さ、思いやり、自分の道を自分で決めること、心の自由の大切さなどなど若者たちが自ら気づきます。
三つ目は、古代と同じように馬を移動手段として旅することは、新しい環境エコの意義もあります。日本の人は砂漠防止のための植林活動への取り込みも大変ありがたいことですが、現地の環境は現地の人の手によってしか改善できないと私は思います。馬でゆくこの旅は、自然の営み、環境自然との向き合い方は参加者たちに理解してもらうだけでなく、先進国の人たちは敢えて古代の移動手段、馬を選ぶことで、現地の遊牧民に、騎馬文化に対する誇りや馬の意義を再認識させることができます。馬の需要も喚起し、遊牧民自身の草原保護への関心を高めることができます。
残念ながら日本中のほどんどのモンゴルツアーに添乗員はいるけれど、馬の指導や現地に密着して安全サポートできる乗馬指導員がいないため、乗馬と言っても、歩く程度にとどまるものが多いです(その方が返って危険です、それについて今後ブログに書こうかと思います)。乗馬時間もわずかで、騎馬民族の気持ちや大地を駆ける喜びはちっとも体験できないではないでしょうか。
黒沢明監督がかつて“馬はホープだ”と言ったことがあります。すべての参加者に馬と一体になって、馬と一体になって大地を駆ける喜びを体験してもらいたいという思いから、私自身はいつも現場に赴き、自分の乗馬経験と指導の経験を生かして、サポートに全力を注いでいます。NPO奔流中国は、遊牧民への経済支援活動や野生馬保護活動などで、遊牧民達から厚い信頼と協力を得ています。それゆえ、安全に乗馬ができるサポート体制を築いてきました。初心者でも1、2日すれば、自力で馬を操れ、風のように草原を駆けることができます。



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