「奔流から帰ってきて、ほんとの意味の美しさを、本質的な美しさを自分自身は感じられるようになった」
慶応大学 宮永 雄介

僕は、奔流を一言で表すとしたら、「新しい自分の発見」だと思います。
奔流に行った人と話してて、みんな何かしら変わったって言うんですね。芸術のスタイルとか、精神的な強さとか、ほんとに人それぞれなんですけど、みんな変わった、新しい自分を発見したって言ってます。
じゃあ僕は何が変わったかっていうことなんですけど、僕は、美しさに対する感覚が、この奔流を通して大きく変わりました。
それまでも、奔流に行く前からも美しいとかそういうものを感じる面もあったんですけど、でも奔流から帰ってきて、ほんとの意味の美しさを、本質的な美しさを自分自身は感じられるようになったんじゃないかなと思っています。
何故そんなふうに変わったかってことなんですけど、モンゴルって本当に何にもないんですよ。
水道もないし、ビールもないし、コンビニとか自動販売機とか、今まで自分の周りにあったものが何にもなくなるんです。
本当に、行ってみて混乱するんですよ。どうしたらいいんだろう。どうやってここで生きていくの、自分らって。
でも、そういうところで何日か過ごすと、あるとき真っ白になるんですよ、自分が。
「本当に今、自分が自由だ」、そう感じるんですね。
何も問題なくて、何も考える必要もない、何にも追われていない。まっさらな自分に、今生まれ変わったんだなっていう感じを受けました。
そっから、何を見ても今まで自分が見出せなかった美しさっていうのを、僕は見出せるようになりました。草原とか星空とか走る馬とか、行ったときからすごいなって思ってたんですけど、でもそれを機に、なんか見るたびに溢れ出てくる思いがあるんですね。
恋愛みたいな感じで、何でこんな気持ちになるか分からないけど、ただそういう気持ちになってる。僕はそういう気持ちに、あれを機になりました。
僕がモンゴルで出会った一番美しい景色というのが、月なんですね。
ある晩、遺跡の上に登ったんですね。そこで、地平線から月が出てくるんですね。
その色が、今まで見たこともないような色なんですね。黄色でもないし、オレンジでもないし。
とても言葉では表せないそういう色をした月を僕はモンゴルで見て、それが今、自分自身の原風景になってるんじゃないかと思います。
自分が変わっていなかったら、そういう美しさは見出せなかったんじゃないかなと思います。
日本に帰ってきてもその変化が続いていて、何も見ても今まで見出せなかった美しさというものを感じています。
桜とかを見ても、新緑を見ても、空を見ても、今まで全く気づかなかった美しさを、僕は日々感じています。
そして思うんですね。
自分は今素晴らしい環境に生きてるのに何でそれに気づかなかったんだろうって。
自分はこんないいところに生きてるのに、いろんなことになんか不満つけたりして、本当に人生損してたなって思えるようになりました。
僕は芸術を目指すとか、あと社会人になってるわけでもないので、何か思いを形にするってことできないんですけど、ただ奔流に行って新しい自分を見つけて、人生が豊かになったなって今感じています。
もし皆さんに少しでも新しい自分を発見したいとか、自分を変えてみたいとか、そういう気持ちがあったら、モンゴルに行ってみてください。
必ず何かを見つけられると思います。
そしてその変化は、帰ってきた後、みなさんの人生をもっと豊かにしてくれると思いますし、それがいつか社会に出て行くときに何かしら役に立ってくれると、僕は信じています。