「奔流の旅は自由だけど、しめるところはしめる。」
早稲田大学 笠原 麻央

馬に乗るのは正直、体力的にかなり辛かった。一番長く馬にのったあの日、自然と座り込んでしまうくらい疲れていたのに、その疲労 感が嬉しくて、砂で真っ黒になった顔を見合わせて、みんなで笑った。
満天の星空を見て感謝し、どこまでも続く大草原の雄大さに驚嘆する。 歌って、踊って、食べて寝て… そんな単純すぎる生活を続けるうちに、余計な感情が取り払われて素直な気持ちになれた。言葉は通じないけれど、遊牧民のみんなとは家族のように濃い付き合いができたと思う。そして、これが本来あるべき人間関係なんだろうなと思った。
日本は物があふれすぎていて、人間本来の感情さえもが、それに押しつぶされてしまう。効率の良さや利益が一番に求められ、形だけの法律の下に「自由」に私たちは日々暮らしている。 そこにあるものは無秩序、無感動、無関心。私たちに心の余裕を与えない。モンゴルには本当の自由があった。それは名ばかりの自由ではなく、厳しい自然の下に成り立っている本当の自由だ。 大自然の中に生かされている自分を肌で感じ、湧き起こってくる感情を素直に表現する。この素直な気持ちをこれからも忘れないでいきたい。この先道に迷いそうなことがあったら、モンゴルの人々のあたたかい笑顔を思い出そう。