多くの人の魂が投げ出されたような空間には、すごい力があるような気がした。それが、宗教の美しい点でもあり、恐ろしい点でもある気がする。
東洋大学社会学部 4年 奥村 淳子さん
(2006年「チベット異文化交流・天空列車の旅」参加)

ただ広いところに行ってみたかったっです。漠然だけど、何か得られそうな気がした。
ラサは都市で、観光地化されていた。でも、それでもまだ、民族衣装を着て無心に祈りをささげる人がたくさんいて、その姿はなんとも神々しかった。 青い空にふさわしい寺院の数々。強すぎるバターの匂いが漂う寺院内部には、色鮮やかに描かれた曼荼羅や仏像が存在し、宗教的建造物特有の、人を魅了する力が溢れていた。

ジョカン内部での僧の行っていた仏事のようなものを見たときには、私の心はどこかへ奪われてしまったようだった。多くの人の魂が投げ出されたような空間には、すごい力があるような気がした。
それが、宗教の美しい点でもあり、恐ろしい点でもある気がする。
ラサは、とにかく、穏やかで心の豊かな土地だという印象やった。色彩感覚も日本ではあまり見られないもので、すごく美しく見えた。
・・・ラサの民家で出会った老猫、上海の屋台で出会った二匹の子猫、そしてラサで別れた相方の「チャオ」が、チベットの地でいつまでも元気に暮らせますように!

日程の中でも、病院見学や小学校の見学があって、そういった交流もしたけれど、一番心に残るのは、やっぱり一人街に繰り出した時に出会った、タクシーの運転手だったり、店の店員さんだったり、お寺のお坊さんだったり。お互いに言葉が分からなくて、きちんと会話できたわけじゃないのに、身振り手振りとか眼差しとか雰囲気で心が通じていた感じで、チベット人の心に触れることができた気がする。チベットの人々は、写真にも笑顔で応じてくれた。

車窓から見える風景は、まさに地球を旅している感じ。あまり歴史や地理が分からなかったけど、ゴルムドまでは中国的な雄大な景色が続き、長江の流れや古代から世界に名前を馳せた古城など目にすることができた。長江の源流は神秘的な色だった。
ゴルムドを過ぎると、雄大な山脈が続き、高原の風景や氷河も見えた。車窓から風景を見るだけでなく、途中、下車観光できたのでうれしかった。
車内は、中国の列車じゃないくらいとてもきれいだった。たくさんの人と筆談したり、疲れた時はトランプしたり、とても楽しく過ごした。

どこまでも果てしなく続く渇いた大地に、心を打たれた。
この厳しい自然の中で暮してる人がいてはるんやって思ったら、
なんとも言えん感覚に見舞われた。
そこで出会った人々の笑顔の美しさってゆったら、
言葉に言い表されへんくらいやった。
“人っていうんはあんなにも美しく生きれるもんなんやなあ” って思った。
様々な事を乗り越えてきたからこその美しさやった。
この大地には、忘れかけていたものが、たくさん詰まっている気がした。
中国という国をもっともっと知りたくなった。次はシルクロードに行ってみたい。
この度はこれで終わりではなく、これからが始まりだと思う。みんな新しい人生を歩んでいくでしょう。