カザフ人と羊さらい

カザフ人はモンゴル人と並べて“馬の背に生きる民族”と言われ、1400年前の突厥人、そして2000年前の烏孫人の末裔とされる。
祝日や結婚式の時、カザフ族は「羊さらい」という伝統的な馬上の試合を行う。騎馬ラグビーとも言えるもので、力と知恵、そして馬上の技量を競う試合であ る。試合開始時、頭を切り落とされた羊が投げられる。騎手達は二つのチームに分かれ、投げられた羊を拾うために突進する。羊を地面から拾った者は、目的地 に向かってひた走る。相手チームは懸命に追っかけ、奪い取ろうとする。味方のチームは懸命に守る。羊は時にバスケットボールのように空中に投げられ、時に 分解されそうに奪い取られ、どちらも譲らない。馬は、狂うように走り、駆ける。最終的に、指定した場所に、羊を届けたチームの勝利となる。