鹿石

シルクロードのあちこちで考古学者に注目されているのが、草原に佇む「鹿石」と呼ばれる古代の遺留物である。各方面からの考証の結果、これらの「鹿石」は 3千年から4千年の歴史を有するものである事がわかっている。この「鹿石」は高さ2mほどで、その表面には奇妙な動物の絵が刻まれている。その中で最も多 く見られるものは鳥の口ばしを持った鹿の絵である。古代にもこのような姿をした鹿の存在は確認されていないことから、多くの学者は古代人の誇張的表現だと 考えている。「鹿石」の絵についてははっきりした事は解っていないが、鹿を神の使いとして崇拝の対象とする遊牧民族の習慣と関わりがあるものとする研究者 もある。モンゴルの古代文化の書籍や漢文の史書にも、鹿をこの世と冥界とを行き来する力を持った聖獣としていたという記載が見られる。