大雁塔

紀元652年に唐の高僧玄奘三蔵がインドから持ち帰った経典や仏像などを保存するために、高宗に申し出て建立した塔。名前は、菩薩の化身として雁の群れか ら地上に落ちて死んだ1羽を、塔を建てて埋葬したことに由来する。 高さは7層64mで現在は、西安市の東南郊外にある大慈恩寺の境内に建っている。玄奘の設計により、当初は5層であった。各階に仏舎利がおさめられ、経典 は上層部の石室に置かれた。玄奘自ら、造営に携わったと伝えられる。塔の南門には(褚遂良書)の筆による碑が置かれた。当初は表面を磚に覆っただけで土に よって作られていたために、老朽化してしまった。そのため、長安年間(701年 – 705年)、武則天の統治時代に、全て磚でつくられ、上まで登れるようになり、現在の7層に落ち着くという変遷を経ている。[1]この様子は、杜甫や岑参 といった詩人たちによって、詠まれている。